飲食店で失敗しない職場の選び方について(経営編)【その5】原価を下げよう②

相見積もりをとろう

【その4】原価を下げよう①で出てきた魚を仕入れる飲食店の続きです。A 店やC店は値段に敏感です。一つの食材に対して最低二つのチャンネルを持っています。このように仕入れ先を比較することを相見積もりをとるといいます。相見積もりをとれる飲食店は仕入れコストを低廉にキープすることができます。

相見積もりなしでコストを落とせるか

仮に相見積もりをとらないB店やD店が運んでくれる魚業者さんに「値段をもっと下げてよ」と言うと、なんという答えがでるでしょう。ニコニコ顔もしくは哀しい顔で「今日は海が荒れてて不況でしたのでなかなか…」とか、品質重視のBなら「ハマチは厳しいけどワラサ(ハマチの稚魚)ならありますよ」(味が変わるのでBはワラサを選ばないことを知っている)とかわされてしまうかもしれません。
これは肉でも野菜でも乾物でも全て同じことです。相手はその商品に関する知識があるので、どうにでも言いようがあるのです。「じゃあ、いらないです。もっと安い他所で買います。」これをどういう風に言えるかが大切です。商品によって異なります。

例えば野菜

野菜は入荷ルートや値段の付け方がまちまちです。八百屋によって得意な野菜があります。私は毎週月曜日に3社から仕入れる野菜の値段を出してもらい、一番安いところから購入してました。その際も、決定価格をオープンにすることにより、今回競り負けた業者にも次週には「敗者復活戦」ができるようにしていました。後出しジャンケンは認めませんでした。そのように徹底的に公平に接することによって信用を得ました。

例えば肉

肉は野菜と違っておいそれと変更できません。品質も変われば味も変わってしまうからです。しかし、常に別の肉業者の用意はありました。そして別の業者が安く提案してきたときは、すぐに乗り換えるのではなく、今の業者に、「別の業者がこれだけの値段で提案してきたが、いかが?」と確認しました。これによって、今の業者が値段を下げてくれることがままありました。下がらなければ、試食して、大丈夫なら本当に別の業者に乗り換えます。このように、今付き合っている業者を第一にしながら値段交渉するスタイルを貫いて、信用を得ました。

例えば魚

魚は市場に行って、仲卸業者に気に入られれば、鮮度のよい魚を配送価格よりも格段に安く仕入れさせてもらえるようになります。気に入られるためには、朝から定期的に訪れ常連の方が購入しているのを見守りながら自分が呼ばれるまで何十分でも待ちます。私が通っていた時は築地市場でしたが、他の市場も同じではないでしょうか。これは相見積もりの例外とも言えるかもしれませんが、相手の信用を得るという意味では同じです。しかしこれは時間的に大変なので一例にとどめておきます。

下がった原価率を有効につかう

例えば年間3億売る飲食店グループなら、4%仕入れが下がれば1200万円浮きます。このお金を原資にして、人件費を改善したり、補修費用に充てたり、ボーナスに充てたりして、さらに売上が上がるようにしていきます。

仕入れについてはこれくらいです。

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